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感じたことと考えたこと

転職の誘いは、突然に 〜アラフォーの転職②

知らせというものはいつも突然で、このたび転職の誘いを受けた。

人生が摩訶不思議だと思うのはこういうときで、その日はたまたま、それまで感じたことがないほど仕事がつまらなく思えて、「なんという時間のむだだろう」と空を見上げるような日だった。

何もかもが行き詰まっている。つまらない仕事も、つまらない仕事をまわされる自分も、先細りしていくキャリアも。

転職の誘いを受けたのは、そんな日の夜だった。

* * *

《まずは雑談がてら、カジュアル面談でも》

お誘いメールを読んだとき、正直な気持ちをいうと、ハッピーとはいえない心持ちになった。
忘れたふりをしていた、「転職」の重い文字がのしかかるようで……。

いまのままでいいのか。いつまでこの会社ではたらくのか。今後のキャリアはどうする。老後は。

面談の日時を決める短いやりとりをしているあいだにも、心は晴れなかった。
転職失敗から一年、わたしはいったいなにをしてきたんだろう?

ちょうど一年前、部署異動があった。以降、拍子抜けするほど働きやすくなった。社内改革が起こり、職場の雰囲気は一変した (改革は半年と持たなかったけど)。

あのとき転職しなくてよかった。一時は心からそう思った。

でもこのごろ、仕事がものすごくつまらない。
ぬるま湯もぬるま湯、気持ちのいいお湯につかった茹でダコ。
市場価値が日ごと目減りしているのに、気持ちいいお湯からあがることができない。

* * *

知り合いを通じての転職が、どれほど高リスクであるかも確認した。

  1. なんとなく行き詰まりを感じているときに転職の誘いを受ける。
  2. 他人の会社が良く見えて、すぐ前向きに検討。
  3. 他の転職活動をせずに1社で決定。
  4. 2年以内に高確率で退職。

まんまじゃんか。

行き詰まりを感じている「ほんとうの理由」がわからないかぎり、どこへ行っても解決されない。

仕事に張りあいがない? もっとばりばり仕事がしたい?

ちがう。わたしはただ、飽き飽きしてるだけだ。

* * *

断ろう。転職活動もせずに、ビジョンもなしに、誘いを受けて転職なんて危険だ。
準備をなにもしないまま、面談当日を迎えた。

しょっぱなから話が盛り上がり、気づいたら2時間が経っていた。

  • フルリモート
  • コーディングとディレクションが半々
  • 制作のみ (運用はなし)
  • 本買い放題
  • 週休3日も相談可

断る気まんまんだったのに、聞いてみると願ってもない条件と内容だった。

もっとコーディングがやりたい。でもコーディング一本で稼ぎたいわけじゃない。そんなわがままを話したら、「外注してるコーディングの仕事をやってもらえると助かる」とのことだった。

そのうえフルリモート。
「やりたいんなら、ワーケーションしてもいいよ」

ワーケーションはファンタジーじゃなかった。

* * *

面談の終盤、とうぜんのことながら、年収を聞かれた。
前述のとおり、わたしはなんの準備もしておらず、年収はおろか、自分の手取り額さえ把握していなかった。

ええと、年収は……すみません、いますぐはちょっと……月の手取りは、たしか……○○万円だったと思います。
(なんと3万円も少ない額を言ってしまった)

先方は笑って、まあ、急に聞かれてもわかんないよね、とフォローしてくれた。恥の極みだった。

確実に聞かれるであろう年収の確認も怠っていたマヌケぶりを披露して、面談はおわった。

* * *

そんなわけで、「源泉徴収票を確認後、年収の連絡」がいまのステータス。
先方の年収提示を受けたら、正式に判断します。

まだ決まったわけでもないのに、さっさと引き継ぎ人員をアサインして、いつでも辞められるように水面下で準備をすすめるあたり、われながら気の早さに笑えます。

誘いを受けるにしろ、断るにしろ、他社の面談を受けるだけでも気分が違います。
スキルの活かせる場所がほかにもあると気づけただけで、ちょっと安心しました。

どこにいてもメリット・デメリットはあります。転職したから、フルリモートになったからといって天国が待ってるわけじゃない。やっぱ辞めなきゃよかったって言うかもしれない。……

年収はもちろん大事。だけど最後は「どっちがハッピーでいられるか」で決めようと思います。

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『2022年は新しい10年間の物語が始まっていく、節目や区切りの年』

このしいたけ占いを読んだとき、ぴんときませんでした。「ふうん。わたしには関係ないな」と。

なにがあるかわからないものですね。ほんと。