「プチ脱皮」と前回のエントリで書いて、あっ、と思い出したことがあります。
あるエントリを書いて公開した結果、狭量な考えが変わった、という経験です。
おまえが書くことについて書くってどうなん? と毎度悩むのですが、しょうこりもなく。
「脱皮できた」と感じられたら、たとえ良い反応がもらえなくても、自分軸でブログを楽しくつづけられるかも、そうだといいんだけど、という思いをこめて。
プチ脱皮①転職の失敗話
はじめて脱皮できたのは、転職失敗のエントリでした。
わたしは昔っから病的なカッコつけ野郎で、カッコわるいことはできるだけさらさず、涙は見せないように、つっぱって生きてきました。
ほんとは、さらっと転職をきめた、ふうに見せたかった。
失敗のない人生をクールに歩んでいる、ように思われたかった。
でもさらっとなんていかなくて、失敗を誰にも打ち明けられなくて、カッコわるいのを承知のうえで書きはじめました。
公開してすぐは落ちこみました。ざまあみろと指をさされて笑われたあげく、見捨てられる気がしたから。
でももちろん、そんなことにはなりませんでした。
気持ちの整理がついたのもプラスだったけど、なによりホッとして。
以降は、カッコわるい話も平気で書けるようになりました。書いてよかったです、まじで。
プチ脱皮②性的な話
もうひとつは、はじめて性的なエピソードにふれたエントリです。
わたしはこのブログで、なんの脈絡もなく昔話を書いては公開しています。
回顧録を書くのが好きなのは、ただの性癖です。そのため、くり返し思い出してしまうエピソードがあると、書かずにはいられなくなるのです。
思いきって公開したあと、しばらくは後悔しきりでした。こういうのを書いていいのか。読んだひとにどう思われるんだろう、と。
「読んでいてドキドキした」とTwitterのリプをもらったときは、それはもう、飛び上がるくらい、めちゃくちゃうれしかったです。
このエントリ以降、回顧録を書こうとする自分に対して、自己嫌悪におちいることは (ほとんど) なくなりました。
プチ脱皮をくり返して、いつか
「こんなのを公開したら、どう思われるんだろう」って、書く側はうんうん悩むんだけど、読む側からすると、数あるエントリのひとつにすぎないんですよね。
あかの他人の心中なんて興味ないし、知ったこっちゃない。薄情なのではなくて、誰だって自分の人生を生きるのに精いっぱいだから。オーディエンスとして存在しているひとなんて、あたりまえだけど一人もいないわけですし。
だから最後は、こっちの気持ち一発。
脱皮できたからいいや、と気持ちを切り替えられたら、ひどく落ちこまずにすむかもしれません。
長くつづけるには、思いどおりにいかなくても「よし、次」って切り替えて、うまくあきらめていくのも肝要でありますね。
うまくあきらめながら、でも書くときはプチ脱皮をくり返しながら、苦楽のぜんぶをのみこんで、いつかきれいな鱗をもつ蛇になりたい。蛇ってほら、セクシーですし。