君は世界に一人だけ

君は世界に一人だけ

感じたことと考えたこと

真空保存

タワレコaccessのパネル展、やってるよ。
友だちからメールをもらった翌日、渋谷へ行った。

中学生のころ、accessという二人組アーティストのファンだった。
当時わたしは、雑誌のグラビアを一秒以上見つめることができなかった。どうしてだかはわからないのだけど、はずかしくてたまらなかったのである。

それから何十年も経ったというのに、パネルをじっと見ることができなかった。
全体をささっと見、ほかのファンの邪魔にならぬよう後じさり、落ち着かないまま、そそくさとエスカレーターに向かった。

外に出ると、accessのMVががんがんにかかっていた。びっくりして、その場に立ちつくした。

パネルよりなにより、タワレコの店先で曲が流れるほうが、うれしいものだな。そう思った。


せっかく渋谷に来たので、代々木公園へ行ってみる。

陽のあたる公園通りを歩いていると、うっすら汗をかいた。目についたコンビニに入り、アイスコーヒーを買う。わざわざ魔法びんに白湯をつめてきたのがばかみたい。でもアイスコーヒーはおいしい。

そういえば、わたしが熱をあげているK-POPのイケメンは、コーヒーが飲めない。

コーヒー、あんまり飲んだことないんだよね。
言いつつ、おおぶりのカップに、イケメンがおそるおそる口をつける。ごくんと飲みくだし、顔をおもいっきりゆがませる。冷蔵庫に飛びついて、コーラをごくごく飲む。こどもである。

お隣の国のイケメンを見るのは、ぜんぜん平気だ。
この違いはいったいなんだろう。としをくって、単にずうずうしくなっただけかもしれない。

 

代々木公園のイチョウがどこにあるのかわからず、あきらめて紅葉の下にぺらぺらのピクニックシートを敷く。

見上げると紅葉。すてきー、なんて思ってたら風が吹くたびにいろんなものがぼとぼと落ちてきた。なんでもない顔をして、渋谷のおしゃれなパン屋さんで買ったパンを出す。

おしゃれなパン屋さんは、緊張する。
慣れた客っぽくふるまいたいのに、隅から隅まで見てもどれにするか決められない。
レジに持って行く途中にも、「やっぱりあっちがよかった」とうじうじ考える。まるでこども。

パンを食べ終えたら手持ちぶさたになって、さっさとピクニックシートをしまう。

景色をのんびり眺めるのは、がんばらないと、できない。やっぱり、こどもだ。コーヒーが飲めたって、イケメンを眺められたって、ずっとこどものまんまだ。

としをくって、ちょっとはずうずうしくなった。でもある一面はこどものまま、真空保存されている。
そういうものなのかな。わかんないな。

食べきれなかったシナモンロールは、家で食べました。