紅茶とスコーンのセットを「クリームティー」といいます。
のんびり過ごす週末のブランチやティータイムにぴったりの組み合わせ。私もクリームティーが大好きです。
スコーンを自分で作れるようになりたくて、数年前から自己流で焼いています。
スコーンの良さは、なんといっても「手軽に作れる」こと。
適当に計量して適当に作ってもそれなりにおいしく焼ける、懐のふかい家庭のおやつです。
休日のティータイムに、ぜひトライしてみてください。
材料
ふだん作っているスコーンの平均的な材料です。
プレーンの場合は、薄く切ったバターとジャムを添えてどうぞ。
たくさん焼き上がるので、翌日の朝食やおやつにも。
* * *
薄力粉 (中力粉、強力粉でもOK) 300g
ベーキングパウダー 13g
砂糖 21g
塩 ふたつまみ
バター 100g
卵 1個
牛乳 卵と合わせて150~170ml
ドライフルーツ、砕いたナッツなど 手づかみ1回分
※ 紅茶スコーンを作る場合はティーバッグ (アールグレイがおすすめ) 2個分を粉に追加
つくりかた
・オーブンの余熱開始。(うちのオーブンは小さいので、最大 (250度) まで上げて余熱してます)
・オーブン皿に打ち粉をふるか、オーブンシートを敷く。
1. バターを1cm角に切って、冷蔵庫で冷やしておく
2. 計量器にボウルとざるを置き、計量開始。粉類 (粉、ベーキングパウダー、砂糖、塩、茶葉など) を投入
3. ざるでふるいにかけ、どっかに置いとく
4. 計量器に小さなボウルを置いて計量開始。卵を割り入れる
5. 黄身の部分を小さなスプーンでちょっとすくい、スプーンごと小皿にのせて冷蔵庫へ
6. [4] に牛乳を入れ、あわせて160~180mlにしてフォークかナイフで混ぜる (箸でもいいけど本場っぽくてカッコいいから)
7. [3] に [1] を投入。スケッパーでバターを小さくしていく
8. バターが全体的に小さくなったら、両手の指先をこすり合わせるようにしてさらに細かくする。ここがうまくいくと腹割れします。でもやりすぎてバターが溶けないように注意
9. 全体が粉チーズみたいに細かくなったら、[6] を3分の2ほど投入
10. [5] で使ったフォークかナイフで混ぜ合わせる。粉に水分を吸わせるイメージ。続いて残りの3分の1も投入して混ぜ合わせる
(ドライフルーツやナッツを入れる場合はここで投入)
11. 粉っぽさが残っている状態でスケッパーに持ち替える。ボウルのまわりについた粉もこそげ落として全体を切るように混ぜる。粉っぽすぎる場合は牛乳をちょっと足す
12. 作業台の上に生地を投げ出す。生地を半分に切って重ねる、を2~3回繰り返す。生地がべたべたする場合は打ち粉をふる
(ここで生地をちょっとこねると、グルテンが発生してパンのような食感になります。日本人はさくっとした食感が好みなので、ひとまず「こねない」が正解です。海外ではこねます)
13. 伸ばし棒か手で生地を高さ3cmくらいに広げる
14. 打ち粉をたっぷりまぶした型で抜くか、包丁で四角に切り、オーブン皿に並べる
15. 余り生地は重ねて3cmの高さに広げ、型を抜く。これを繰り返す
16. スコーンの表面に [5] を指で塗る
17. オーブンに投入。220~250℃で20分~25分焼いたらできあがり。
スコーンの底を指ではじき、こんこん、と乾いた音がしたら焼けてます。
材料について
スコーンの材料について少しご説明します。
粉
薄力粉はさくさく、強力粉はふんわり仕上がります。
薄力粉はケーキやクッキー、強力粉はパンに使われる粉です。
私は薄力粉に「クーヘン」、中力粉「エペ」、強力粉「カメリヤ」を使っています。
粉の種類やメーカーで食感がかなり変わるので、好みの食感になるようブレンドしても。
イギリスの薄力粉に近いのは「中力粉」。タンパク質含有量や灰分が近いのだそう。
本場に近いスコーンを作りたい方におすすめです (私は主に中力粉を使っています)。
日本人は薄力粉の軽い食感を好む傾向にあります。もし迷ったら薄力粉で。
好みで全粒粉、ライ麦粉を少し混ぜてもおいしいです。
スコーンは米粉に変えても作れます。
ただし米粉には小麦粉ほどの旨味がなく、グルテンもないため焼き上がりの見た目と味は大きく異なります。
小麦粉のスコーンより作るのがちょっと難しいのと、見た目が地味になっちゃいますが、間違いなくヘルシーです。
ヘルシーなスコーンを作りたい方や、グルテンフリー中の方もぜひ。
砂糖
レシピの砂糖はかなり少なめです。好みによって増やしてください。
砂糖を増やした方が確実においしいです。焼き色もきれいにつきます。
「ヘルシー」と「おいしさ」のどちらを取るかで決めてください。
自宅で食べるときは砂糖少なめ、友達に食べてもらうときは多めなど、用途によって使いわけてもよいと思います。
ご家庭で使っている、ふだんの砂糖を使ってください。
こだわる方は微細グラニュー糖がおすすめ。
ベーキングパウダー
スコーンを膨らませるのに必要な添加物です。忘れると膨らまないのでご注意を。
なるたけ新鮮なのを使ってください。古いとあんま膨らみません。開封して半年以上経ったものは使わない方が無難です。
ベーキングパウダーはあまり入れない方が味はおいしくなります。
でも「腹割れ」が小さくなるので、仕上がりの好みによって増減させてください。
定番の「アリサン」がおすすめ。
水分
卵、牛乳、ヨーグルトのどれを入れるかで食感も味も大きく変わります。
卵を入れると焼き上がりも黄色っぽく、味もわずかにケーキっぽくなります。
牛乳は必須。ヨーグルトはふんわりします。
液体を生クリームに変えると、びっくりするくらいおいしくてリッチなスコーンになります。
コスパはめちゃくちゃ悪いけど、お店で売ってるスコーンみたいにおいしく焼けます。
そして、水分を入れすぎて生地がべたついても大丈夫。打ち粉をたっぷりまぶせば問題ありません。
水分が少ないと、まっすぐきれいに焼き上がるけど、固くてもそもそした仕上がりになります (逆に多いと生地が横に広がってふわっとした食感に)。
ちょうどいいのがいちばんですが、最初は生地の状態を判断するのはむずかしいです。
なぜなら粉の種類や季節によって、水分の吸い込み方が違うから。薄力粉は少なめ、強力粉は多め。夏は水分少なめ、冬は多め……など、微妙に異なります。
だからレシピの水分量をあまり信じすぎず、「ちょっと足した方がいいかも」と思ったら足してください。
ひとまず水分が足りないよりは、ちょっと多めの方が吉と思います。
バター
バターは無塩のものを。バターを入れれば入れるほど、さくさくの仕上がりになります (パイ生地やクロワッサンと同じで、焼成時にバターが溶けて空洞になるから)。
バター多めのスコーンは冷めてもおいしく、グリルで温め直すと部屋がバターの香りで満たされます。バターの香りは幸せの香り。
ただバターをたっぷり使うと、家庭でつくるおやつのわりにコスパが悪くなります。
おいしさとコスパが両立できる分量を探ってみてください。
また、お菓子作りが好きな方は「バター5kgの塊」をご検討ください。5kgでだいたい1万円ほど (送料込み)。
トッピング
スコーンは中に入れるトッピングを変えても楽しめます。
ドライフルーツや細かく砕いたナッツ、チョコチップなどを手づかみ一杯ぶんくらい足してください。
焼き立てはプレーンでもおいしいですが、翌日のおやつにする場合にはトッピングがあった方が飽きずに食べられます。
そして一日経ったスコーンの方が、紅茶やレーズンの風味が強く感じられてちょっとトクした気分になれます。気のせいかもしれないけど。
道具について
以下の道具を使います。
・ボウル
・ざる
・スケッパー
・型抜きか包丁
・(あれば) オーブンシート
保存について
私は「最小の労力で最大の成果」が欲しいタイプなので、一度にたくさん焼いてしまいます。
春夏の常温保存は「焼いた日+2日」を限度にしています。
食べきれない分は冷凍保存してください。
スコーンをアルミホイルで包んでグリルで焼き、全体が温まったところでホイルを開いて焼くとおいしいです。
翌日のおやつにぜひ。
* * *
説明の文章だけを見ると、スーパーめんどくさそう……。YouTubeなどに丁寧な動画がいっぱいあると思うので、そちらを参考になさってください。
腹割れより大切なこと
「スコーンは腹割れしてるのが成功」というイメージがつきまといますが、おいしさと腹割れはあんまり関係ありません。もし腹割れしなくても、がっかりしないでくださいね。
(腹割れしないのはベーキングパウダーが古いか、粉とバターをなじませる時にバターが溶けちゃったか、オーブンの温度が低かったか……理由は必ずあります。慣れたら100%腹割れするようになるので、あんまりお気になさらず)
腹割れ=成功、腹割れしない=失敗、じゃないです。
スコーンを焼いて、ティータイムを楽しもうとする気持ちそのものが何より大切。
家庭の数だけレシピがある
スコーンは「混ぜて焼くだけ」。イギリスでは子どもが最初に作るお菓子だそうです。身構えなくて大丈夫、何回か作れば要領もつかめてささっと作れるようになります。
味噌汁と一緒で、家庭の数だけレシピがあります。好みのトッピングや食感など、いろいろ工夫してみてください。
スコーンを焼けるようになると、人生がほんのちょっと豊かになる気がします。
お気に入りの茶葉で紅茶をいれて、ティータイムのおともにぜひ!