君は世界に一人だけ

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感じたことと考えたこと

「愛用品を語る文章」が好き

10000人中9999人には不要でも、その人には必要で、日々の暮らしをともにする相棒。

そんな「愛用品」を語る偏愛的文章が好きです。

でもどうして、愛用品の話はこんなにわくわくするんだろう。

モノ自体に興味があるから?
スタイルのある人に憧れるから?

ちょっと不思議に思って、考えてみました。

1. ポジティブな気持ちになる

愛用品を語る文章はモノへの思いだけでなく、その人の考えや人生観が反映されます。

出会いのきっかけ、使いはじめてから変わったこと、何年も使い続けている理由、好きなポイント。

そんな語りから、書き手の価値観を発見する。素敵だな、真似したいなと思う。
何ならその愛用品と、色も形もそっくり同じものが欲しくなる。思わずアイテムを検索してしまう……

何かを自分の中に新しく取り入れようとするとき、気持ちはポジティブへ向かいます。適度な物欲はパワーになります。

そんなポジティブな作用があるから、愛用品の話を聞きたくなるのだと思います。

2. 多様性を感じられる

物心ついたときから、人の部屋を見るのが異様に好きでした。

「TOKYO STYLE」という、部屋ばっかの写真集があります (部屋好きの人は必見)。
ひとり暮らし時代、本棚から引っ張り出しては写真をじっと眺めていました。

生活感丸出しの部屋を淡々と切り取っている写真に胸をときめかせたり、なぐさめられたり……。不思議に心が落ち着いたのを覚えています。

思うに、その写真集から「圧倒的な多様性」を感じていたから。

生活、個性、人生観、秘密。あらゆるものがごったまぜになっているのが部屋です。部屋の数だけ個性があるなら、人はそれ以上に個性的であるはず。

自分とは何か、個性とは何か、生きるとは……そんなのをクソまじめに考えていた時期だったから、深く安心できたのだと思います。

愛用品を語る文章や写真には、この「部屋的多様性」があります。

選ぶアイテムも違えば、好きになるポイントも違う。愛用品を語るとき、内容は自然と「独断と偏見」に満ちたものになります。

独断と偏見ってよろしくない意味で使われるけど、むしろそんな内容の方が引き込まれる。「私はこれが好き」とはっきり言われると、すがすがしい気持ちになります。

内容の個性が強ければ強いほど、自分の中の個性に気づきます。多様性って、生きていくうえで深い安心につながる大事な要素だと思う。

3. ストーリーがある

もうひとつの理由は、「愛用品にはストーリーがあるから」。

モノにつまった思いやストーリーは、その人にしか語れません。

人の物語に惹かれる、そんな人も多いはず。モノの紹介というより、モノにまつわる「ストーリー」が聞きたいのです。

人の愛用品は、幸せの仮説です。

それを読むことで、書き手の幸せを追体験して、自分の中にある偏愛性や個性を探りたいのかもしれません。

愛用品を語ってみる

私にも愛用品があります。

ある日突然すべてがリセットされて持ち物を失っても、同じモノを買い求めると思います。

だけど、なぜそれを選ぶのか? という「好きのポイント」がスーパーぼんやりしてる。

日々愛用しているのだから、それなりに理由やストーリーがあるはず。なのにいざ考え出すと「えーっとねぇ、きれいだから」という5歳児並みの言葉しか浮かばない。
自分の気持ちって、わかるようでわかりません。

愛用品にまつわるアレコレを語ってみると、何か自分について新しい発見があるかも。

これから私も、ブログで愛用品を語ってみたいと思います。