メイクで心が躍らなくなったのは、いつからだろう。
見せたくないものを隠す。必要なものをつけ足す。やりすぎないように、細心の注意をはらう。できあがりを鏡で見るたび「これでええんか」ともやもやする。
ミーティングやライブなんかの、自信を持ちたい日にかぎって、自信が持てない。鏡の前であれこれするほど、不安になる。気のせいか、不安は年々大きくなる。
そんなとき知ったのが「メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた」という本だった。
「メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた」
ふだん本は買わずにすますのに、「気がつけば5年以上同じメイクのあなたへ」のコピーを見て即買い。いや買ってよかった。
内容は、メイク迷子のマンガ家が、友人の美容部員に美容やメイクについて根掘り葉掘り聞く、というもの。
本を読んで、何もかもにびっくりした。
眉毛の太さ角度が、ぜんぜん違う。20代で会得した知識・技術が通用するメイクなんぞ一つもなく、すべてが新しく更新されておったのでした。
自分のメイクが古くなっていると、本を読むまで気づかなかった。気づかなかったことにもびっくりした。
メイク迷子であるマンガ家さんの言うことにも、いちいち共感した。悩んでいるのは自分だけじゃない。そう思うと安心するし、元気づけられる。
「わたしメイク迷子かも」と不安に思うすべての人に、まず読んでいただきたい1冊。続編もあります。
「必要なのはコスメではなくテクニック」
化粧水のつけ方からメイクまで、美容のあれこれを体系的に学べる一冊。この本を読んで、いかに適当にケアしてきたかを知った。
この本のすばらしいところは、メイク方法が必殺の1種類、という潔さ。
メイク本って、甘口辛口薄口濃口なんかの種類がずらずらあって、結局どれをやりゃいいのかわからないものだけど、この本はたったの1種類。だから迷わない。
もっとおどろくのは、本のとおりメイクをしたら「あっ・・・」と声に出るくらい、いい感じになれること(言うまでもなく当社比)。
自分の顔を見ていい感じとか思うの、いつぶりだか思い出せない。思ったことなんかないかもしれない。うれしくて、鏡をじいっと見た。
「世界一わかりやすいメイクの教科書」
「必要なのはコスメではなくテクニック」に感動したので、同じメイクアップアーティストの本を。メイクの手順がわかりやすくて、こちらもおすすめ。
新しい本を1冊読めばいいではないか、というとそうでもなく、こちらはメイクの教科書なので化粧水のつけ方などは載っていない。できれば2冊とも読んでもらえると、知識はだいぶ深まると思う。
ファンデのついたスポンジに、クリームチークをつけてぽんぽん、というのはめっちゃおすすめ。失敗なく、いい感じに仕上がります。
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本を読んでも、メイクで心は躍らなかった。
でもメイクを変えたら、ほんの少し自信を持てるようになった。
仕事でもブログでも何でも、自分で自分にOKを出すのは、むずかしい。だから、「まあ悪くないな」と思えることをかき集めて、なんとか生きていきたい。いきましょう。