君は世界に一人だけ

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感じたことと考えたこと

1月の3冊

読書好きというほど読んでないし、文学のことは、ぜんぜんわかりません。いちばん手近な気晴らし、逃避として本を読んでいる感じです。

そんな軽いのりのラインナップではありますが、1月に読んだ本のうち、「これは」と思った3冊を紹介させてください。

1月の3冊

「お金のむこうに人がいる 
ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門」

経済なんてまるでちんぷんかんぷん、そんな人(わたしです)でも理解できる、やさしい経済の入門本です。

図書館で順番待ちをしていたのだけど、10年経っても借りられそうになく、しかたなく購入。いや買ってよかった。株がコンサートチケットと同じだなんて知りませんでした。これまで読んだ経済本のなかでダントツにわかりやすかったです。

日本経済は破綻するみたいな言説が、いかにむちゃくちゃなものかもわかって安心しました。経済なんて自分には関係ない、そう思っている人(わたしです)にぜひ読んでもらいたい一冊。

内閣情報調査室 
公安警察公安調査庁との三つ巴の闘い」

VIVANT」というドラマをご存じですか。
わたしは先月、夫の猛プッシュを受けしぶしぶ視聴、まんまとハマったくちです(たてつづけに2回観た)。

「VIVANT」きっかけで公安警察に興味を持ち、関連本を探して読んだのがこの本。それまでまったく知らなかった諜報活動と組織の話は、もろドラマのようでした。

日本には、諜報活動をおこなう組織が公安警察警察庁)のほかにも存在します。「内閣情報調査室(官邸直轄)」「公安調査庁法務省)」がそれ。それぞれ公安警察と対象領域が競合するため、三つ巴のライバル関係にあるそう(ドラマや)。

3つの組織の概要や裏話があんまりおもしろくて、「す、すげえ」とうなっているうちに読み終わりました。

「VIVANT」の台詞にもあったけど、この国で壊滅的なテロ事件が起きていないのは、テロを未然に防ぐ精鋭スパイが存在しているから。なんて、まじの現実だったんだということに、衝撃。

books.google.co.jp

「女は、髪と、生きていく」

この本の一節を読んでわたくし、泣いてしまいました。少し長いですが、引用します。

美容室で、女優さんの髪型の切り抜きを出して『すみません、私とは顔が全然違うってわかっているんですけど』と言う方もいます。
キレイをあきらめているのとはちょっと違う。『私なんかが(キレイになりたいなんて言って、お手をわずらわせて)すみません』というニュアンスが一番近いかもしれません。
私が知る限り、こういう方は、性格が真面目な長女に多い気がします。

若いころ、美容室やデパートのコスメカウンターに行くたび、「何をしたってむだなのはわかってるんですけど、すみません」と心の底で考えていたのを思い出して、おいおい泣きました。

そんなふうに思わなくていいと、自分以外の人にならやさしく言えるのに。どうして我々は、こうも自分を卑下してしまうんでしょう。卑下してる、という意識もなしに。

「髪を変えたら人生は変わる」という主旨の本です。たしかにそう思う。でも、主旨とはちょっと違うけど、上記の一文を読んで「わたしなんかが、なんて思わなくていい」とフラットに思えたのが自分でもおどろきで、もし同じふうに思っている女性がいたらぜひ、読んでもらいたいなと思って紹介しました。

 

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公安、略語とか俗称がいちいちかっこいいんですよね。存在しないことになってる秘密組織を「ゼロ」って呼称したりとか。ドラマやん。