せんじつ若い人としゃべっていて、久しぶりに腰を抜かしました。
映画を観たことがない、そうで。
スターウォーズとかジョーズとか、タイトルは知ってるけど実際に観たことはない。
とても冗談を言っているようには見えない、当たり前みたいな顔で、若い人は言いました。
現代の若者にみられる全般的な傾向なのか、それとも彼女が特殊例なのか。
そんなことでびっくりするわたしが古いのか。いや古いけども。
子どものころ金曜ロードショーとか、観なかったんだろか。
時代とはいえ、本気でびっくりしました。
ところでみなさま、映画はご覧になりますか。
わたしは週1、2本ほど観ます(アマプラかネットフリックスで)。
探すのも面倒なので、それこそ「子どものころ金曜ロードショーで観たやつ」を主に選んでおります。
先週は、エイリアン3部作をたてつづけに観ました。
エイリアンといえば「腹を突き破って出てくるエイリアン」「口の中から小さい顔が出てくるエイリアン」のシーンしか覚えていなかったから、ほとんど初めて観る気分でした。
子どものころ、死ぬほど怖かった映画、エイリアン。
いま観たら、ぜんぜん怖くなかった。とくに1作目は、ひとつも怖くなかった。
「見た目は人間、中身はロボット」に金を使いすぎたのか、兵隊がエイリアンにやられるシーンなんかは、だいぶごまかしてる感じ(エイリアンていうかほぼ犬?)。
2作目3作目となると、技術アップにともなって怖い度もレベルアップ。怖いし、気持ち悪い。でも、悲鳴を上げるほどでもない。怖い映画が苦手な人でも、ご覧いただけると思います。
ところでエイリアンて、3作とも監督が違うんですね。シリーズものは同じ監督が撮るものだと思っていたから、意外でした。
エイリアン … リドリー・スコット
(テルマ&ルイーズ、グラディエーター、ハンニバル)
エイリアン2 … ジェームズ・キャメロン
(ターミネーター、タイタニック、アバター)
エイリアン3 … デヴィッド・フィンチャー
(ファイト・クラブ、ベンジャミン・バトン、ゴーン・ガール)
個人的には、テーマの重い3作目がいちばん好きです。
もしリプリーと同じ状況(エイリアンを孕む)になったら、とても同じ行動はとれない。人類の未来なんかどうでもいいから助けてくれ、と悪者にすがりつきます。
誰にも知られないまま人類を救うリプリー。こんなかっこいいアクションヒーロー、他に知らない(いるんでしょうけど)。
映画を観ないと聞いても「観たほうがいいよ、人生損してるよ」とは思いません。
うそ、ちょっと思ってるかも。
とはいえ、トクするから観る、というのでもないんですよね。映画ってなんなんでしょう。なんで観るんだろう?
「映画で人生が豊かになる」みたいな、雑誌のコピーっぽいのは、ちょっと違う。ていうかトクするみたいな文脈からは離れたい。
むずかしい話は抜きにして、映画くらいは「いやぁ、映画って、本当にいいもんですね」っていうノリで、楽しみたい。純粋に「いいもんだなぁ」って思えるものって、そうたくさんないから。
ちなみにこの名台詞は、故・水野晴郎氏が放送の終わり際に担当者から「もう一言付け加えて」と急かされ、とっさに繰りだした言葉だそうです。すてきな言葉ですよね。