君は世界に一人だけ

君は世界に一人だけ

感じたことと考えたこと

手で書くこと、KREVA編

前回、雑記ノートについて書いた。

ふとしたとき | 雑記ノートのこと - 君は世界に一人だけ

ごく個人的な、小さい習慣ではあるのだけど、あらためて「とにかく続けてこ!」と思い至った。ブログに書いて、気持ちが整理できたみたい。

なんて思っていたら、KREVAが同じ習慣をもっていると知り、ひっくり返りそうになった。

ラジコのタイムフリーで「JK RADIO TOKYO UNITED」を聞いていたら、ゲスト出演していたKREVAが「自分、毎朝文章書いてるんですよ」と語りはじめたのだ。

KREVAといえば、十数年前、友だちに連れ出されたエーネーションではじめて目にした。

友だちの、というか、味の素スタジアムにいるお客さんの目あては大トリの東方神起であって、それ以外のアーティストはぜんぶ前座と、そんな雰囲気がものすごかった。

そんなスーパーアウェイのなか、KREVAは「すぐに終わりますんで、すみません」「あと2曲だけやったらすぐ消えますんで。でもせっかくなんで、手をあげてもらっていいですか」みたいなことを言ってお客さんの心をつかんでいた。

東方神起を含むほかのアーティストのパフォーマンスは記憶にないけれど、KREVAだけはやたら覚えている。

「自分、毎朝文章書いてるんですよ」

新曲「EXPERT」について言及されたKREVAが、そう話しはじめた。

「朝、頭に思い浮かんだことをどんどん吐き出していくっていうか」

「ノートいっぱいに吐き出してくっていうのを毎朝やってて」

スマホボイスレコーダーもあるのに手書き?とナビゲーターのジョン・カビラが聞くと、「文房具が好きだから」とのこと。

く、KREVAがわたしと同じ習慣を・・・。救われるような心地にぼうっとしていると、次の言葉にはっとした。

「ずっと続けてますけど、途中で『これ続けて何の意味があるんだろう?』って思うところがやっぱりあるんですよ」

まじで、KREVA。いっしょ、いっしょやKREVA

友だちみたいな気持ち。うんうんと相槌をうつ。

『何の意味があるんだろう?』からKREVAがどうしたかというと、これまで書いてきたノートを読みかえしたそう。

「しばらくいって読みかえしてみたら『このまま続けてもどこに向かうかわからないけど、もうこれは進んでいこう』っていうようなことが書いてあった」

「本の要約だったのか生みだした言葉なのか覚えてないけど、これだなと思って、そこから歌詞を書いていった」

その歌詞がこちら。

どこに向かうかなんてのは
後でわかるから進め

ジョン・カビラが「目標を設定せずに、とりあえず進め?」と聞くと、KREVAはこう答える。

「やりたいという気持ちがあるんだったら、それに素直になって進んでみようって感じ」

「書きたいと思ったのは本当だし。書いてるってことも本当なんで。そこに向かって進んでいく」

これじゃん。

これじゃないですか。もう全部これじゃないですか。ブログでも何でも、この一言に尽きる全部。

手で書くことについて、KREVAはこうも語った。

「本当、考えちゃうんで、いろんなことを日々。考えないようにする、考えるスピードを落とすっていうか。そういうところはある」

手で書くのは時間がかかる。手書きそのものがよい、というよりも、手で書くスピードでものごとを考える、というのが、もしかしたらいいのかもしれない。

や、こまかいことはどうでもいいこの際。

何がどうあれ、あのKREVAと同じ習慣、というのがめちゃくちゃうれしかったし、勇気づけられた。これまでの2年半をいきなり肯定してもらえた気がした。ひゃっほうと舞い上がり、Spotifyで「EXPERT」を再生させたりした。

しばらくKREVAの曲を聞いているうち、ふと反対の思いにとらわれた。

もしKREVAが、逆のことを言っていたら。

〈しばらく続けてみたんですけど、何の意味もないんでやめました (笑)〉

そんなふうに、言っていたら。

スーパーなアーティストの意見がどうあれ、わたしはわたしの考えと意思がある。ほんらいそうあるべきなのに、とてもそんなふうにはなれない。

KREVAがどう言おうと、わたしはわたし。心の底からそう言いきるには、才能と努力が必要なんだろか。

具体的にどんな努力をすればいいのか、ぜんぜんわからない。わかるときまで、KREVAの言葉を胸に毎朝書き続けよう、と思う。

愛用の万年筆たち。


KREVAの「EXPERT」、ブログ書きのおともにぜひ。勇気づけられることうけあいです。