君は世界に一人だけ

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感じたことと考えたこと

コメダ珈琲で「いつものでいい?」って言われたい

休暇中通いつめたコメダ珈琲には、毎朝やってくる常連客がけっこういた。

主な構成メンバーは高齢者 (70〜80代) の男性。
いつもの席にすわり、新聞紙を広げ、コーヒーを飲み、パンを食べる。あんまし長居しないで、30分ほどでさっと帰っていく。

「なんで?」と思っていた。

コーヒーとパンを食べたいから?
でもコメダの隣には、駐車場の広いコンビニがある。コーヒーとパンなら半値以下で買える。

なのになんで、わざわざコメダに通うの?
そんなに年金、がっぽりもらってんの?

今回のコメダ通いで、その謎がとけた。

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コメダでは、常連客にかぎり「いつもの」が通じる。
コーヒーの種類。モーニングセットの種類。それらを店員は覚えていて、お冷をテーブルに置きながら「いつものでいい?」と確認する。

すごい。全国展開のお店とは思えない。
だけど「いつもの」じゃないセットがほしい日はないのかな。

いや、もし自分が常連客に認定されたら、ぜったい「いつもの」で済ませる。
わたしと、わたしの好みを覚えていてくれるのがうれしいから。

「いつもの」はコンビニじゃ買えない。
常連客は「いつもの」に込められた、ささやかな居場所をコメダに求めてるのかも。 

* * *

となると、自分も「いつものでいい?」って言われたいのが人情で。
同じ時間、同じような服、同じ席、同じ注文。これを一週間続けた。

予想つくだろうけど、もちろん惨敗だった。
(逆の立場だったら一週間通われたくらいで「いつものでいい?」とは聞かない)

というわけで、「無理やな」と分かった。まあ4日目くらいから「これ無理やな」とは感じてたけど。
最終日にはあきらめて注文内容を変えた。コメダ、カフェオレもおいしいです。 

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「ここに来て、コーヒーを飲むのが楽しみなんよ」
あるとき常連客の男性が笑いながら店員にそう言った。

としをとるほど、そんな場所が必要になる。おばあちゃんになったら、わたしもコメダに通いたい。で、「いつものでいい?」ってにこにこ言われたい。