先日、ダイニングテーブルをイスの脚を切ったよって話を書きました。
ダイニングテーブルとイスの脚を6cmカット。Artek(アルテック)90A、CHAIR 69ほか - 君は世界に一人だけ
よけいな話をはぶいたために、まるで「思いたって即行動」したみたいですが、そんなことはまったくなく。
思いつきからカットするまでに、じつに7年もかかったのでした。
ダイニングテーブルとイスの脚を切るまでのハードル
①先のばししちゃう
結局、慣れちゃうんですよね。不満にも、不満を持っている自分にも。
困るけど、納得なんかしてないけど、でも業者を探したり見積もり取ったり比較検討したりのあれこれがめんどくさい。
なにより決断をくだすのがめんどくさい&ストレス。
これが雨漏りなどの優先順位と緊急性がもっと高いタスクであれば、必死こきます。テーブルとイスの高さに不満、なんて感覚の問題ですから。
すごく困ってるのに、先のばしにしてしまう。そういうことって、考えてみるといろいろにありますねえ。
②ものすごく切らなくちゃいけない
工業デザイナーの秋岡芳夫氏によると、日本人にベストなのは「テーブルが高さ61センチ、椅子36センチ」だそう。
日本人に適した椅子とテーブルの高さ|低座の椅子と暮らしの道具店
とすると、72cmあるテーブルを「11cm」切らなくちゃいけない。
そんなにはちょっと……と、身長から理想的な高さを自動計算してくれるサイトで確認してみたら、テーブルは「9cm」、イスは「6cm」も切らなくちゃいけない。
【身長別】あなたに合ったデスクの高さと椅子の座面の高さの確認方法
びびる。6cmだの11cmだの、「そんじゃ切ろっと」とはならないです。
だいたい、そんなに切ったらせっかくのデザインが崩れるやないの。「売れんくなる」と、それまで考えたこともないせこい考えが生まれて、ますます踏んぎりがつかなくなりました。
③夫の反対
通勤していたころは、それでもがまんできたのです。朝晩だけのことですから。
ところが自宅で働くようになると、イスの高さが日に日に、実感をもってつらくなってきました。
も、むり。
数年の時を経てようやく決断できたと思ったら、夫からまさかの反対意見が。
「え、いまのままでいいじゃん。なんで切るの」
「仕事用の机とイスを買えばいいじゃん」
いつものように感情的にわめいて終了したわけですが、「わっかんない。納得できない」とかぶつくさ言う。もう、くやしくて泣きそうになりました。
なにがくやしいって、わたしだってほんとうは迷ってるんです。
決断したけど、ほんとのほんとにそれでいいかなんて、わからない。あした死ぬんだったら、切るのなんてむだになるわけだし。
切ったあとに後悔しないか、そんなのわかんない。わかんないからこうして強がってるのに。
あったまきて、さっさと見積もりとって、いちばん安いとこに決めました。
ぐずぐずと何年も逡巡していた問題を片づけるのに、くやしさが効くこともあるのだなあ。
後悔していること
もっと切ればよかった
テーブル&イスの脚を切って、良くはなりました。足は床につくし、部屋も広く感じるし。
でも、なんか違う。
ちょっと慣れると、テーブルもイスも、微妙に高く感じるのです。差尺は変わらないのに、なぜだかテーブルがぐんとせまってくる感じ。
やっぱり秋岡芳夫氏の「テーブルが高さ61センチ、椅子36センチ」にしときゃよかった。日本人に適したテーブルとイスの高さとやらを信じればよかった。
だけどそんなに切る勇気がなかった。つめのあまいことでした。