このまえの寝入りばな、「スーパーサイヤ人」のことが頭から離れなくなりました。
スーパーサイヤ人って、ご存じですか。
うろ覚えの知識で説明させていただくと、スーパーサイヤ人とは「ドラゴンボール」という漫画に登場するサイヤ人(主人公含む)の第二形態で、いわばゾーンに入った無双状態をさします。
スーパーサイヤ人化すると、黒髪黒目から金髪碧眼に変身し、戦闘能力もアップ。黒髪黒目の男性アイドルが、突如金髪碧眼化してファンをめろめろにするパターンとだいたい同じです。
そんなスーパーサイヤ人のことを、布団にもぐり込んで、考えていたのです。
金髪碧眼が地球上でもっともイケてると刷り込まれていた時代だから問題にならなかっただけで、現代だったら物議をかもすのではないか、とか。
そういやクリリンとか天津飯とかもスーパーサイヤ人みたいになるんだっけ、とか。もしそうなら、「スーパー人間」、いや「スーパー地球人」、せめて「スーパーアース人」かな、とか。
ていうかサイヤ人て「人間」なのか。
人間の定義ってなに。同じ姿かたちをして、血の色が赤なら人間? 地球外生命体でも人間? 人間の「間」ってなんの間?
なにがあれば人間で、なにがなければ人間でないんだろう。触覚や尻尾が生えていたら人間じゃないんだろうか。疑問はふかまる。
どっちにしても、地球人はサイヤ人のように、第二形態にはなれないんだろうな。「スーパーアース人」ではかっこつかないもの。
そこはぜひとも「サイヤ人」でなくちゃ。
ところでサイヤ人のサイヤってどういう意味なんだろう。
このときの衝撃を、わたしはうまく言い表すことができません。
子どものころ、「ドラゴンボールZ」でサイヤ人襲来を見てから数十年、はじめて真実を知ったのでした。
いえ、カカロットとかベジータとかナッパとかの意味は知っています。
「ドラゴンボールZ」はあまさず観ましたし、なんなら悟空の父ちゃんが出てくる映画まで観ました。だけどサイヤ人の意味までは手が回らなかった。
やられた、と思いました。サイヤ人に、そんな裏の意味が隠されていたなんて。
もしかしたら当時気づけなかっただけで、サイヤ人には隠された何かが、ほかにもまだあるかもしれません。
まんじりともせず、わたしは考えつづけました。そしてはっと息をのみました。
悟空の、あのヘアスタイル。
いまだにどうなっているのか見当もつかない、あの形状。
あれにんじんの葉っぱじゃん!
そして悟空の、あのコスチューム。
もはや皮膚と一体化してるんじゃないかという、亀マークの、あの服。
あの色。
にんじんじゃん!
まさか主人公がにんじんの擬人化だったとも知らず、わかったような顔をして何十年も生きてきたのかと思うと、あまりのショックに一睡もできず、じきに朝を迎えました。
スーパーサイヤ人、おそるべし。