君は世界に一人だけ

君は世界に一人だけ

感じたことと考えたこと

わたしは幸せだった

死ぬかと思った。

帰省して、気が抜けていたわけでもないと思うのだけど、事故を起こしかけた。年の瀬に。

夜だった。車を右折させたら自転車が右手から突っこんできて、とっさに急ブレーキをかけた。
自転車は地元の高校生で、「おっとっと」という感じでなんとか持ちこたえ、頭をかるく下げて恥ずかしそうに去っていった。

わたしはぼうぜんとハンドルを握っていた。死ぬかと思った、まじで。

こういったアクシデントは後々尾をひくもので、時間がたつごとにどんどん怖くなった。

もし、相手が転んでいたら。
もし、機敏な女子高生でなく、高齢者だったら。
あとほんの少しでも、ブレーキを踏むのが遅れていたら。

死にはしなくても正月など軽く飛んでいたし、一生忘れられない後悔として残っていたと思うと、ぞっとする。

いちばんぞっとするのは、「あっ」と思ったのが、先だったこと。
体は、「あっ」のあとに反応した。同時ですらなかった。あっ、と思って、ようやく右足が動いた。

事故の瞬間はスローモーションとかいうけど、その時の自分の反応の遅さははっきり覚えている。「あっ」から半テンポ、コンマ2秒くらい確実に遅れた。あと0.01秒でも遅れていたらと、どうしても想像してしまう。

原因はわかってる。往来のはげしい(田舎だけど)道路で、なかなか右折できなかった。しばらくして、反対車線の2台が止まってくれた。パッシングで合図を送っている。

早く曲がらないと。無意識にそう考えた。曲がることしか考えられなくなり、視野が狭くなった。そしたら、ぱっと来た。免許更新のとき見せられる映像みたいに。

なんの言いわけもできない。ぜんぶわたしが悪い。なにもなくてよかった。ほんとうによかった。このごろ手を合わせてなかったのに、ご先祖さまに助けていただいた。お墓参り行こう。行きましょうみなさん。

右折、まじで、気をつけて。いるから自転車。くるから何か。


ことしの年末は、いつにもましてありがたくて、幸せです。
無いにひとしい、つまらない一年だったけど、そんな一年が送れたわたしは幸せものだよ。と、しんそこ思う。

 

* * *


これが今年最後のエントリになります。

年末年始は実家でこれ以上できないくらいのんびり&だらだら過ごすので、ネットからしばらく離れます(そして、しばらく運転はやめときます)。

内容はさておき、1年で100記事書けてよかった。
ことしも駄文を読んでくださり、ほんとにほんとにありがとう。

どなたさまも、どうぞよいお年をお迎えください。

年末の夜明け