かつての上司からお誘いを受け、このたび転職するはこびとなりました。
決断に至った過程について、書き残しておきたいと思います。
きっかけは、元上司からのお誘い
きっかけは元上司からのお誘いでした。
ほぼ雑談みたいなオンラインMTGのみで、「橘さんさえよければぜひ」という流れに。
転職にまつわる苦しいあれこれを全部すっとばして、採用決定。
転職したくてもできない、不利な立場のわたしが選択権をいただけるという、ありがたい状況となりました。
心が決まらない
MTG後はテンションも高くて、「明日にも辞めてやる!」と息巻いてました。
だけど日が経つにつれ、テンションは急降下……。
前のめりで承諾するつもりだったのに、迷いがどんどん大きくなっていったのです。
10年以上も勤めた、ホワイトよりのWeb制作会社。仕事も収入も安定していて、長く働いたぶん融通もきく。福利厚生だって充実している。
転職したら安定を失う。そのうえ忙しくなるとわかってるのに、どうして辞める必要があるの?
ぬるま湯のなにが悪いの。ラクしてお金もらえるなら、それでいいじゃない……
1秒ごとに心変わりして、考えても考えても心が決まらない。そんな日々が続きました。
「このままでいいのか」のモヤモヤ
ずっと、もう何年も消えないモヤモヤがあります。
「このままでいいのか」という、かたちのない不安です。
このままでいいのか。いつまでこの会社にいるのか。
5年後も10年後も、毎日同じ電車に乗って、毎日同じ椅子にすわり、毎日同じ不安をかかえたまま、心をすり減らしていくのか。……
いま転職しなければ、ずっと同じモヤモヤをかかえつづける。
「あのとき転職していればよかった」と、必ず後悔する。
それだけははっきりとイメージできるけれど、じゃあ、わたしはここから逃げるためだけに転職の誘いを受けるのか。
転職したら、一時的には「このままでいいのか」から逃げられる。
だけど、数年したらまた同じ悩みにさいなまれる。
だったらどこにいたって同じじゃないかと、完全に思考がループしていました。
わたしがいちばんに望むこと
タイミング悪くいろいろなことが重なるわ、冬季うつやPMSがバットをもってやってくるわの、全盛りみたいな一ヶ月あまり。
精神的に追いつめられて、なにをどう考えればいいのかもわからなくなっていきました。
突破口になったのは、元社員の方からのメール。
ひとりではどうにもならず、唯一つながっている元社員の方に相談メールを送ったのでした。
正直、相手にこう思われないか心配でした。
「いい大人が転職をどうするかも決断できないのか」
「転職活動もしないで、誘ってもらったからって安易に転職しようとしている」
「総合的にバカ」
いただいた返信には相手の優しさと思いやりがつまっていて、それだけで泣きそうに。
こういうとき、だれかに優しい言葉をかけてもらえるのが、どれほど救われるかに気づかされました。
返信のなかにあった一文、
『安定を取るか、どうか』
を見たとき、それまでのごちゃごちゃが消えたんです。ぱっと。
わたしがいちばんに望むことは何か。それだけが頭に残った。
「わたしが欲しいのは安定じゃなくて、自由な働き方だ」
そしてこう確信しました。
「いまの会社にいても、ハッピーになれない」
生きることは悩むこと
その日のうちに、元上司へ入社の意向を伝えました。
メールを送信したあと、ベランダに出て遠くの景色を眺めると、おどろくほど輪郭がくっきりしていました。
やっと一歩を踏み出せる、そう思ったら、涙が出そうになりました。
客観的にみたら「甘すぎる」「転職失敗の典型例」「総合的にバカ」かもしれない。
いつか、やっぱ辞めなきゃよかったとか言うかもしれない。
それならそれで、もういいやと思えました。
生きることは悩むこと。どこにいたって悩むなら、もう次に行きたい。
アラフォーが20代みたいなこと言って、ばかじゃないのって感じですよね。
でもわたしという人間は、つくりがゆるいというか、軽率だし、ノリで決めちゃうし、本質的に頭がよくない。就活したこともないしね。
だったらあきらめて、計画性ゼロで生きていこうかなと。
それで最終的に「気がついたらこんなところにいました」とか言って笑いたい。
この転職が、その一歩めになるといいなと思います。
そんなわけで、新しい会社へは5月から。
いろいろあるけど、うまく折り合いをつけながら、前向きにがんばります!