君は世界に一人だけ

君は世界に一人だけ

感じたことと考えたこと

いまどきの男の子

夕方、気分転換にマクドナルドへ行った。

若い男の子ふたり連れの後ろで順番を待っていると、左の子が右の子のお尻を、おもむろに撫でまわしはじめた。

尻を撫でられている子は慣れているらしく、なんのリアクションもしない。手をどかせるでもなく、なにかを言うでもなく。

べつにかまわないのだけど、目のやり場に困る。しかたなく、バッグをごそごそかきまわして、財布を探すふりをする。

すると、尻を撫でていた子がぱっと振り返って、わたしのほうをじろじろ見はじめた。

(いや、あんたらなんかに興味ないから)
なんだか妙にくやしくて、かたくなに気づかないふりをした。

という話を翌朝夫にしたところ、夫はおどろきもせず「おれもねえ、見ちゃったんだよね、昨日」と言う。

「終電に近い時間で、駅の周りも暗くてさ。なんか、前のほうに若い男の子がいるのは気づいてたんだよ。べつに見るでもなく歩いてたら、おれの後ろからすごいいきおいで男の子が走ってきてさ、いきなりその子にチュッって」

ふたりは夫の存在に気づくと、ものすごく恥ずかしそうに「ばか、人がいんじゃん」などとこそこそ言い合っていたらしい。

「いまどきの若い子はそういう感じなのね、って思った」
夫はそうしめくくり、ひとりで納得していた。

いまどきの男の子と接点がないから実態はよくわからないのだけど、時代とともに人の意識ってここまで変わるものなんだという純粋なおどろき。