本棚に、ずっとあこがれていました。
本棚の写真が好きで、本棚について語られた文章も好きで、本棚にまつわるあれこれを目にすると、うっとりねっとり眺めてしまいます。
壁一面の本棚はもちろん素敵だけど、好きな本だけがぎゅっと詰まった、小さな本棚も同じくらい素敵。ていうか本棚ってだけで、もれなく全部素敵。
わたしの欲しいものナンバーワンは、本棚でした。けれども部屋は超極小、本を入れるだけの家具を置くスペースなんぞありません。そのうえ「少ないモノですっきり暮らす」派でいたいという願望も(いちおう)あります。
すっきり暮らしたいなら、本棚なんて置くべきじゃない。部屋が狭くなるし、本なら図書館で借りればいい。これまで本棚なしで暮らしてきたんだから、これからだって必要ない。
そうして、あこがれては諦めるのをくり返してきました。
ところがある日、雑誌「BRUTUS」の本棚特集をうっとり眺めながら、はっとこう思ったのです。
「あたし、働いてんじゃん。働いてるのに、なんで一番欲しいものを買っちゃいけないんだ」と。
たしかに部屋は超極小。本棚を置いたら、暮らすスペースが目減りします。
だけど、本棚のある人生と、本棚のない人生のどっちを選びたいかって聞かれたら、本棚が、やっぱりほしい。
これは啓示に違いないとPCをがばりと開き、本棚探しに没頭。ほどなく無印良品の「スタッキングシェルフ ワイド 5段」を購入したのでした。
到着まで、一週間ほど待ったでしょうか。届くなりいそいそと組み立て(重かった)、部屋のすみに置き(めっちゃ重かった)、がらがらの棚を見上げたら、体の底からうれしさがこみ上げてきました。
ここに入るだけの本を持っていいんだ。そう思ったら、何かものすごく許されたような、自由になれたような、そんな感覚になりました。
一番欲しいものを買うのは、自分を大事にするとか、許すとか、そういうことにつながるのかもしれません。
ところで、本棚を手に入れて気をよくした人間がどんな本を買ったかというと、それはもちろん『ドラゴンボール 完全版』。ゴールデンウイーク中、2度3度と読み返しました。
そんなわけで、今年買ってよかったナンバーワンは『ドラゴンボール 完全版』でございます。
今週のお題「現時点で今年買ってよかったもの」
▼本棚の写真が好きな人はぜひ
▼人生に疲れたら、子どもの頃に読んでたマンガが効きます