ミニマルな生活を (いちおう) 心がけているものの、イギリスの老舗陶器メーカー、「バーレイ」のティーウエアには目がありません。
乙女かわいいバーレイのティーウエアについて、きょうは語りたいと思います。
一つひとつに個性がある
バーレイは1851年、イギリスの中部都市ストーク・オン・トレントに設立されました。
(ストーク・オン・トレントはボーンチャイナ発祥の地でもあり、ウェッジウッド、ミントンなどイギリスを代表する陶磁器が生産されています)
設立以来、バーレイの製造工程は変わらずに受け継がれています、170年も!
一つひとつが熟練の職人による手作り。柄の位置や濃淡がそれぞれに違っていて、一つとして同じものはありません。
バーレイ製品は170年前と同じようにたくさんの人の手と工程を経て作られています。
そのため柄や色調、状態の一つ一つに個性があり、工業製品にはない温かい優しさにあふれています。
たしかに、完璧を求めるいまの時代には、ちょっと合わないんじゃないかと思うくらいの個体差があります。
ものすごくかわいいんだけど、些細な点が気になるひとには向かないかもしれません。
ただ逆説的に、個体差のある食器を使っていると、だんだん「これも愛嬌」とおおらかに受け止められるようになる気がします。個人的な経験から。
きっかけは憧れ
バーレイにハマったきっかけは、『日々のお茶時間』の著者・村上みゆき先生の紅茶教室です。
先生のお宅にあるものすべてが、異常にすてきで、センスよくて。
「世の中には、こんなにすてきな暮らしをしているひとがいるんだ……」と感じ入ったものでした。
すてきな暮らしぶりを知ると、すぐマネしたがるわたくし。
先生に少しでも近づきたくて、『日々のお茶時間』掲載のティーウエアを調査。ほどなくバーレイに行き着いたのでした。
はじめて手に入れたのは、高麗キジと牡丹が描かれた淡いブルーの「ブルーアジアティックフェザンツ」。
これがもう、おそろしいほどに乙女かわゆくて。一瞬で骨抜きにされてしまいました。
それからというもの、バーレイのティーウエアを次々と買い集め、しまいにはイギリスから個人輸入するまでに至りました (ものすごく大変だったけど、これはまたべつの話)。
組み合わせがバラバラでもかわいい
バーレイとほかのメーカーとの違いは、先にもあったように「170年変わらぬ製造工程」「個体差」です。
そうしたスペックだけでなく、個人的には「トリオ (ティーカップ、ソーサー、プレートの三点セット) がバラバラでもかわいい」点もプッシュしたい。
同じシリーズのトリオはもちろんかわいい。
ソーサーを替えると、こんな感じ。
トリオすべてをバラバラにすると、こう。
カラーを統一しなくても。
「バラかわいい」は、わたしが編み出したのではありません。バーレイを扱うカフェ・佐倉マナーハウスが、あえてバラのセットでサーブしているのです。
「セットでなくちゃ」と思いこんでいたから、これにはおどろきました。
ソーサーが割れてしまっても、大丈夫。実際、これまでにいくつか割ってしまいましたが、ほかのソーサーに乗せて使っています。個人的には、むしろバラな組み合わせのほうが好きです。
だって、好きなんだもん
欲望にまかせて買いまくったバーレイのティーウエアはひとところに置けないため、季節ごとに入れ替えてたのしみます。
春夏=寒色系。
秋冬=暖色系。
しかたなしにはじめた習慣ですが、「季節を感じられる」「飽きずに使い続けられる」というメリットを見いだしました。
食器を手放せない方にも、季節ごとの入れ替えはおすすめです (見えないとこに隠しておけば、罪悪感も一緒に隠されます)。
ミニマリストたるもの、最小限の食器で暮らすべき。なんだけど、バーレイばかりはどうしようもない。だって好きなんだもん。
自分でいっておいてなんだけど、「だって好きなんだもん」以上に汎用性のあるいいわけって、ない気がする。
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▼正規輸入代理店「ANTRO」