君は世界に一人だけ

君は世界に一人だけ

感じたことと考えたこと

好きだから、好き。

なぜに人は、だれかを好きになると、金銭感覚がこわれるのでしょう。

ほんの一週間前まで、欲しくもなんともなかったものを、なぜに血眼になって探してしまうのでしょう。あのひとが好き、ただそれだけで。

存在を知らなければ欲しがらなかったのに、知れば欲しくなる。入手困難なレアアイテムほど、燃える。自分で自分がおそろしい。

「沼」と最初に言った人は、天才だと思います。まさしく沼以外のなにものでもない、底なし沼です。

みなさんにもそういった、「なぜにあんなものを、あんな値段で」とぼうぜんとするような買い物をした経験はありますか。わたしには死ぬほどあります。沼買いをぜんぶ束ねたら、いったいいくらになるか考えるだけでおそろしい。

いつだったか、コンビニとのコラボアイテムに手を出したことがあります。
開けるまで中に何が入っているかわからないという、えげつない商法のアレです。

欲しくて、欲しいと思うと焦って、定価の5倍で入手しました。少し待てば値段も落ち着くのに、そう知っているのに、なぜかピークの値段で手を出してしまう。いいカモです。

なお悪いことに、そうして血を流して手に入れたアイテムを、見えるところに置いておけないのです。

興奮するのは、手に入れた瞬間だけ。実物を手にしたとたん罪悪感と、なんかちょっとだまされたような気持ちが発生して、もやもやする。せっかく手に入れたのに、すぐさま押入れに押しこむ。なのにまた新たなアイテムを見つけると、性懲りもなく欲しくなる。病気です。

欲しくなるのは、もちろん、好きだから。

だけど「好き」って、なんなんでしょう。どれだけつきつめても「好きだから、好き」以外の理由がなくて、それ以上の言語化もできなくて、いつも途方にくれます。

好きになって、沼って、いろんなものを欲しがって、ドキドキしたりもやもやしたり、ときに嫉妬したり。大人なんだから鷹揚にかまえていたいのにそうもいかなくて、思春期ならぬ、思秋期です。

現実逃避と言われればまあその通りではあるのだけれど、そうはいっても悩み多きお年頃、悩みはこれから量も重さも増すばかり。

沼の底から発生する泡のような幸せと、なけなしのお金をにぎりしめて、みなさま、思秋期の日々を生きていこうではありませんか。