君は世界に一人だけ

君は世界に一人だけ

感じたことと考えたこと

14歳

14のころといったら、部活部活のかたわらで先輩にプレゼントするためのマフラーとか編んでた。

バレンタインデーにチョコと一緒に渡したら、それで終わった。一言もかわすことなく、先輩は卒業していった。

傷つきはしたけど、へこたれなかった。しばらくしたら、ころりと忘れた。

14のころ、夢はなんだって叶うと思ってた。
子どもながらにばくぜんとした不安はあったけれど、少なくとも生きること、生命が持続するのは当たり前で簡単でそんなのは空気がいくらでもあるのと同じレベルの事象だった。

 

やまを越えたなら、大丈夫。そう思った。

そしたら、かんたんに忘れた。電話がかかってくるまで、思いだしもしなかった。

電話ではじめて年齢を知った。14歳。

好きな子とか、いたの。将来の夢は何だったの。大人になったら一緒にお酒のもうとか、働きだしたら僕がおごってあげるとかのシャレた約束ひとつ、できなかった。

こんなにも、生きることがむずかしかったなんて、知らなかった。ただ生きるだけのことが。

人はほんとうにかんたんに死んでしまう。信じられないくらいかんたんに。

そしてかんたんに忘れてしまう。信じられないくらいかんたんに。

 

 

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