君は世界に一人だけ

君は世界に一人だけ

感じたことと考えたこと

本は図書館で。すきって、ふくざつ

本を読むのは、すきなほう。だと思います。

思います、といやに自信なさげなのは、「すき」というからには少なくとも①膨大な本を買い②読み③語り④文学的に造詣の深い人間であらねばならぬという意識が、どこかにあるからやもしれません。

②③④はお話にならないとして、比較的らくなのは①本を買う。ですが、本をわたしはめったに買いません。恥ずかしながら、たいてい地元の図書館ですませてしまいます。

借りられるのであれば、それが何百人待ちの、順番まわってくるまでに何年かかるのよ、みたいなものでも黙って待ちます(この時点で本好きとはとても言えない気がしますが)。

読みたいと思ったその瞬間に読まないと意味ないしそこから得るものの大きさを考えれば安いものそれが本というものである貴様のようなやつがいるから出版業界は、まったくそのとおりで、反論の余地もありません。


皮肉とかじゃなくて、あとさき考えずにがんがん買えたらどんなにかいいやろうと思います。壁いちめんに本びっちり、な写真を見るたび、あこがれのため息がでます。

でも、むり。
すきなだけ本を買うほどには余裕ない&今後ますます余裕なくなる問題。
買ったところで積読・再読しない問題。
そもそも部屋が狭すぎて、本棚ひとつ置けないのもこれ切実な問題。

しょうがないと言いきかせつつも「壁いちめん」写真を見るたび、図書館ですませる自分がことさら情けなくなります。

いやあ、本を読むのがすきとか、とても言えないや。ふりかえってみて、あらためてそんな思い。

いやいやいやそんなん、たんなる主観の問題、ごちゃごちゃ考えんでいいやないの。

そうも思います。それでも、こうしてわざわざ条件つきで考えるのは、それだけ劣等感やうしろめたさがあるのでしょうか。どうしても比べずにはいられないから、すきって、ふくざつ。

気になる本をかたっぱしから買ってゆくライフスタイルにあこがれるけれども、できればそんなふうにきらきらしく生きたいけれども、ちょっと、むり。

なにかを手に入れても、時間が経てばまた別のものがほしくなります。
どれだけ所有しても、たとえ壁いちめんにならべても、満足しない。

所有できずとも、二週間ごとに手持ちの本がそっくり入れ替わるのも、いいものです。

なんて、すっぱいぶどう、あれは、の心理かな。