君は世界に一人だけ

君は世界に一人だけ

感じたことと考えたこと

冬の昼下がりに、ベランダで

仕事のひとくぎりに、ベランダへ出る。

降っても晴れても一時間にいちどはベランダに出て空を眺めよう、と決めたのに、ずるずる守れないでいた。なんだか、めんどくさくて。

空を見ると、ああ空を見なきゃちゃんと、って思う。
木を見れば木を、海を見れば海を、もっと、ちゃんと見なくちゃと思うんだけど。

ひとがなにかを見てきれいと感じるぶぶんと、空腹を感じるぶぶんは同じだと本で読んだ。きれいなものは余裕のあるときに眺めるのではなく、むしろ力落ちしたときにこそ眺めるべきですよ、と。

雲ひとつない、きりりとした空。ものすごく遠くに、飛行機が見える。

そうしてしばらく空を眺めていると、巨大な蚊柱みたいなのがあるのに気づく。蚊柱ちゅうか、大群ちゅうか。春になったらいったいどうなるんだろう、あれ。

風はなかった。日なたは過ごしやすく、きもちいい。本腰をすえて、さぼることにする。

部屋へ行って紅茶をつくり、それと本を持ってベランダに戻る。
しばらくしたら冷えてきたので、毛布を取りにいく。

またしばらくすると、仕事の連絡がきてるんじゃないか、さぼってるって思われたらどうしよう、と不安になる。いそいでPCも取りにいく。

本をちょっと読んだり、紅茶を飲みながら蚊柱越しに空を眺めたりしているうちに、すぐ日没。

いかにもな写真に見えて、撮ったの一年前です。