君は世界に一人だけ

君は世界に一人だけ

感じたことと考えたこと

落ち葉を踏みに

森林公園へ行く。
落ち葉を、いっぱい踏みたくなったから。

近所の公園にも、落ち葉は踏みほうだいに落ちている。毎朝ジョギングで通りかかるたび、踏みたい欲がわきあがる。
でも、きまって人がいる。人前でがさがさ落ち葉を踏む勇気は、さすがにない。

週末の朝、公園のわきを通りかかると、人影がなかった。
階段をこそこそ降りてゆき、一か所に掃き集められた落ち葉の山を、えいえいと踏む。

まわりに人がいないかを確認して、またうらうらと踏む。
踏み、飛び、スニーカーをずぼっと潜らせたら満足して、帰った。

 

ところがしばらくすると「近所の公園で満足していいのか」という疑問が。

自転車で15分ほどのところに、森林公園がある。落ち葉なんて東京ドーム一杯ぶんくらいあるはず。
そんなわけで、出かけていった。

 

森林公園の落ち葉は、それなりだった。近所の公園よりは、いい。でも木の数から見るに、地面がいささかクリーンすぎる。

どうやら清掃されちゃったらしい。地面が見えないくらいの落ち葉を期待したから、ちょっとがっかりした。

落ち葉は道のはしっこにたまる。浅い排水溝にたまった落ち葉を、踏んでいく。ぱりぱりとした新鮮な踏みごこち。

おかしなやつだと思われないように、後方の確認は怠らない。べつに見られたってかまわないのだけど、見られないに越したことはない。

そのまま芝生エリアへ出る。
芝生はホットスポットであるから、人がいる。人目が気になるので、落ち葉を踏むのをやめる。なんでわたしはこんなに人目が気になるんだろう。

 

気をとりなおして、いい感じの落ち葉を探してみる。

落ち葉を手に取って、しげしげと見る。
赤いの、黄色いの、オレンジなの、いろいろ混じったの。ちぎれたの、虫食いがあるの、黒っぽくなったの。

ひとくちに落ち葉といっても、じつにさまざまなかたちと色がある。これらをひとくくりに「落ち葉」とおおざっぱに名づけられているのはなぜ、とおもうくらい。

気がついたら、日が暮れかかっていた。空と木の境目あたりを、なにも考えずにじっと見る。

森林公園に来るたび、ここがすきだな、もっと来なくちゃな、とおもう。めんどくさいけど。

よりぬきの落ち葉を本にはさんで、大事に持って帰った。

フクロウとの相性ばつぐんでした