君は世界に一人だけ

君は世界に一人だけ

感じたことと考えたこと

最高の週末は

あなたにとって、最高の週末は?

と聞かれたらそれはもう「スーパーGT」一択、GT以外のたのしみなんて、ない。

スーパーGTは年間8戦のみ(ちなみにF1は22戦、Moto GPは21戦、ブルーインパルスは18回飛ぶ)。

つまりわたしにとって最高の週末は、一年に8日。
この8日を、いかにたのしむかが、すんごく大事だ。

というわけで、先週末のGT最終戦を前に「いかにすればGTをさらにたのしめるか」の会議を開いた。
45分くらい真剣に考えて、3つの案が出た。

1. まる一日、家事を一切しない。
2. ポイントランキングの予想をたてる。
3. お酒を飲む。

「1. 家事をしない」というのは、なかなか画期的なアイデアだと思う。即採用。

「2. ランキング予想」も玄人っぽくて、いい。けど、めんどくさいから不採用。

問題は、3. お酒の案。

お酒はずっとすきだった。年間8日以外のいじけた357日も、お酒さえ飲めばリラックスして、人生捨てたもんじゃないみたいな気分になる。

けれども去年あたりから、お酒を飲むと調子をくずすようになった。
そのうえ、すぐに眠くなってしまう。

酔っぱらったときの開放的な気分がすきだけど、そのせいで眠たくなったり、炎症やら潰瘍やらにきびやらができるのは避けたい。

だから、飲みかけのワイン(半年前に開けたやつ)を、しかたなく飲むことにした。

そうと決めたら何かそわそわして、スタートを待たずに飲みはじめる。

半年ぶりに飲むワインは、たいそうおいしかった。くいくい飲む。元気になる。

GTの最終戦というだけで最高に祝祭的なのに、これにほろ酔い気分が加わると、どうしようもなく幸せで泣けてきて、すこし泣く。

まだレースがはじまってもないのに、すごい飲んじゃう。こんな勢いで飲んだらぜったい調子をくずす。予防として、ふつかよいに効くという漢方薬ツムラ漢方黄連解毒湯エキス顆粒A)をワインで流しこむ。

レース中はいつも、実況のサッシャさんと会話する。
「そうだよねー」とか、「いやでも今のは3が強引すぎだよー」とか。
お酒を飲むと、この会話が途切れなく続く。だからのどが渇いて、飲む。楽しくて、またちょっと泣く。

レース前半で、うとうとしはじめる。
わたしは悪くない。気合ならドライバーと同じくらい入っている。でも事故が起きてレースが中断すると、だらける。

ちょっとソファに横になる。もちろん寝ない。耳はちゃんと、ドライバーと同じくらいばっちり開いている。午後のおだやかな日差しと、「……ぶーん……ぶーん……」というエンジン音が心地いい。ぶーん……ぶーん……

気づいたら寝てた。10周程度で起きたのは、やはり気合の入り方が違うからだろう。ふつうならレースが終わるまで目を覚まさないところである。

「また寝たら死ぬの刑」に処したから、レースがおわるまで立って観る。すごく眠い。酔いざましにワインを飲もうとしたら空だった。舌打ちする。

それでもレース後半になるにつれ、展開がめまぐるしく変わっていく。眠気がふきとぶ。
ぎゃあぎゃあわめいてゴールまで見届け、「おめでとう、おめでとう」と連呼しながらドライバーと同じくらい号泣した。


結論。
・わたしにとって最高の週末は、スーパーGTのレースを観ること。
・GTとお酒の親和性は、めっぽう高い(ただしエンジン音が眠気を誘うので注意)。
漢方薬は効かない。