君は世界に一人だけ

君は世界に一人だけ

感じたことと考えたこと

さみしくなりたい

帰省も一ヶ月となると、困りごとがいくつか発生する。
そのうちのひとつが、「ドライブ中にかける音楽がない」。

どうか想像してみてください、1ヶ月ものあいだ、音楽なしにドライブする味気なさを。

レンタルショップのCDレンタル料金は、1週間330円。Spotifyに慣れてると、だいぶ割高に感じてしまう。そのうちCDレンタルの業態じたい、過去のものになっちゃうんだろうなあ。

考えてみれば、CDなんて久しく買ってない。大好きなバンドの新曲さえ、Spotifyで聴くしまつだ。

最後にCDを買ったのは、そうでした、K-POPK-POPはCDを買うと豪華なフォトブックがついてくる。それがまた打ち震えるくらいすてきな写真ぞろいで、ってなんの話ですか。

ためしにブックオフへ行くと、中古CDがレンタルとそう変わらない値段で放出されていた。

夏なんだから、夏っぽい曲が聴きたい。
でも夏っぽい曲って、なに。夏になると聴きたくなる曲、そんなの、ない。「夏になるとやりたくなる●●」、そういうのほしいからつくろうと毎年思うのに、気がついたら夏が終わってる。

夏といえばフェス、フェスといえばロック。そんなわけでくるりの『TEAM ROCK』を買う。330円。

包装をむしり取って、CDを突っこむ。うう、これよ、これ。もやもやがふっとんで、心が夏の空みたいにクリアになる。思いっきり音量を上げて、海へ車を走らせる。

好きな音楽をかけてドライブするって、間違いなく、人生において最高に幸せなことのひとつだ。

それほど単純じゃないってわかってるけど、でも、ドライブと音楽、このふたつがあるだけで、そこそこ楽しく生きていけそうな気がしてしまう。

 

くるりを聴いていると、わけもなく切なくなる。
アンニュイっていうかメロウっていうか、雲の切れ間から夕焼けを眺めるみたいな。

しばらくそんな気分にひたってないから、なつかしくて胸の奥がぎゅっとする心持ちが、やけにうれしい。

わたしは、もしかしたらわたしたちは、ほんとうはちょっぴりさみしくなりたいのかもしれない。

 

 

安心な僕らは旅に出ようぜ
思い切り泣いたり笑ったりしようぜ

僕らお互い弱虫すぎて
踏み込めないまま朝を迎える