『ライフシフト LIFE SHIFT――100年時代の人生戦略』を読んだ。
『ライフシフト』は、100年を生きる時代のライフスタイルや働きかたを考察した、大ベストセラー本。
ひとことでいうと、最高に気の滅入る本だった。
読んでいくうち、「死んだほうがマシな未来」「旅行や娯楽を楽しむどころか、友人もなく、食うや食わずの生活」ばかり鮮明になっちゃって……。
精神的にきつくなって、後半のほとんどを読みとばしてしまった。
(そのためいっこも要約してません。以下はただのボヤキです)
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「ヤバい未来がくる (きてる) から意識変えてこうぜ」系の本は何冊か読んできたけれど、今回のように読みとばしたのははじめてだった。
なぜか。
精神的にまいっていたから。
仕事で疲れきったあとに読む本として、いささかヘビーすぎたから。
なにごとも、そのときの精神状態によって受けとりかたは変わる。
本はわるくない。わたしの受けとりかたがわるい。
もうひとつには、現実を直視したくないという心理がはたらいたのだと思う。
それでなくても毎日、しんどい。
仕事を終えて家に帰るころには、鉄製のアーマーでも身につけてるみたいに体が重い。そんな状態で先細りする未来を考えはじめたら、すぐ気鬱になる。
本の内容は気が滅入るものだった。でもそれ以上に、先送りにして逃げる自分を認識させられて、ダブルで殴られた気がした。
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いっぽうで、なるほどと思った個所がひとつあった。
余暇時間の活動にかんする提案で、「リラックスや娯楽に使う比重を減らして、投資の比重を増やすべき」というもの。
余暇時間を娯楽にあてるより、本を読んだり読書ノートを書いたりするほうを選びがちなわたしにとって、これは福音だった。
気の滅入る本でも、ひとつくらいは自分にとってプラスになる個所が見つかるものですね。
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Amazonのレビューには、わたしの所感と真逆のコメントがひしめいている。
みんなすごいなあ、と素直に感心してしまう。
精神的に体力のあるときには、カンフル剤になる。
でも気落ちしてるときに読んだら、すごく気が滅入る。
そんな本でした。
内容についてはこちらが参考になります。
「ヤバい未来がくるから意識変えてこうぜ」的な本でいえば、以前読んだ『ハイ・コンセプト』はおもしろかった。
生き抜くためには感性を鍛えなくちゃダメだ、というメッセージは刺激になったし、希望が持てる。
わたしにはこういう本が向いてるんだな、とわかっただけでもプラスになりました。